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駄目オタ徒然草
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「ロリロリSFアニメ」(アニメ評:エイリアン9)
※ リンク等、未完です。とりあえず、アップ。後日修正(この注意書きがとれたら、完成版です)

エイリアン9

 ちょうど、この作品が世に生まれた2001年は、少なくともボクの記憶と認識では、アニメ業界がやっと「新世紀エヴァンゲリオン」の呪縛から逃れられた1年だったと思う。
 破壊的なヒットを生んだエヴァは、だがしかし、エヴァ的なものを狙う「柳の下」組の、その類似作品から、アンチ作品まで、その影響を与えないものはなかったと言ってもいい。
 数年間は、たぶんこの呪縛の元、ナニを作っても「エヴァの二番煎じ」「エヴァ的な転換についてこれないもの」で片づけられていたような気がする。

 そんな中で、翌年「千年女優」という、衝撃的な劇場作品を生みだしたGENCOがこの年、新しく生まれたAT-Xというアニメ専門チャンネルという媒体を利用して制作したのが、この「エイリアン9」と「フィギュア17」。
 実際この2作品のクオリティーは、当時放映されていた作品の中でも桁違いだったと思う。だが、残念ながら媒体の性質、それから、扱った世界観から、「ロリアニメ」の烙印が押されたのが理由なのか、いわゆる「一般世界」的には、ヒットをしたとはいえないだろう。

 そんな、ちょっと不当な評価を受けつつも、この作品の完成度が非常に高いことだけはまちがいがない。それは、実際に作品を見れば一目瞭然なのだが、こんどは、もっと致命的な欠陥にぶち当たることになる。「完結していない」のだ。
 もちろん、作品として、すなわち30分×4話という枠の中で、この作品が当初目指していた、原作の第1部の最後まできっちりけりをつけているのだから「未完」という評価は不当かもしれない。が、しかし、原作、富沢ひとしのハードSF世界は、このアニメ化された第1部が終了した時点から一気に大展開される。まさに第4話のサブタイトル「はじまりのおわり」通りなのだ。
 実は、もしかしたら、続編の制作の企画自体はなくはなかったのかもしれない。というのも、最終話のエンディングで、くみが惨殺(ある意味一命は取り留めるのだが……)されるシーンがワンカットはいっている。この事件は、原作では第2部の大事なターニングポイントの一つである。これをきっかけに、エイリアンが空から振ってくる理由、なぜ小学校に「エイリアン対策係」が設けられているのか、ボーグとは何か? が、少しずつあかされていき、そして、世界(?)的なパラダイムシフトに、主人公の大谷ゆりと、2人の対策係の少女達がまきこまれていくことになる。
 あえて、最終話にこのエピソードを挿入するのだから、原作の販促の意味でもない限り、視聴者は、訳がわからなくなるばかりか、続編の期待は高まるはずである。
 が、残念ながら、続編の制作は、5年たった現在でも聞こえてこない。おそらく、今後も制作されることはないだろう。なぜなら、世界観があまりにも残酷で不条理だから。
 さらに、この作品のテロップを見ていると、実はIGや、タツノコ、J.C.STAFF(共同制作になっている)、GAINAXと、そうそうたる制作会社が関わっていることがわかる。すばらしいクオリティーの作品ができるはずだ……。逆に言えば、半端な力の入れようでは、どうしても、続編は「見劣り」してしまうことになる。このへんも、続編の制作されない理由かもしれない。

 さて、前置きが長くなったが、この作品の魅力は、なんと言っても、動く絵である。富沢ひとしの描く「少女」は、非常に動かしにくいように思える。が、劇的に動き回るキャラクター達は、あたりまえのように、何の矛盾もないような流麗な動きを見せる。横顔に鼻の稜線がない顔を、どうやったら、あんなにリアリティーを持たせられるのか……。
 そのキャラクターのデフォルメから、一見アニメ的な動きをしているようにも見えるが、実は、非常にしっかりとした作用反作用、反動と抵抗の物理運動、人体の正確な動きを見せる。そのうえでの、デフォルメしたオーバーアクションは、そこにキャラクターの動きの矛盾を感じさせない巧妙さがある。
 また、当然のことながら、富沢ひとしが描く、不条理且つシュールな世界を、十分理解したシナリオが、原作に忠実に展開されている。
 カット割りも、実にこったものが多い。俯瞰からあおり、遠景を光と陰で描き、少女達の心象風景を鮮やかに浮かび上がらせる。もちろん、キャラクター達の表情もいい。富沢ひとしが描くキャラクター達の実に豊かな表情を忠実に動画として再現している。
 声優もいい。実は一人は、当時中学生だか、高校生だかで、新人公募で引っかかったらしいのだが、いやいや、実に堂に入った演技を見せている。単に話題性だけで彼女が選ばれたわけではないようだ。

 と、まあ、この作品の魅力は、文字で書くよりもやはり現物を見てほしいと思う。と言うわけで冒頭のあらすじを。
 主人公大谷ゆりは、平凡(?)な小学6年生。彼女が通う第9小学校では、毎年6年生の各クラスから「エイリアン対策係」が、半ばもっともいやな役として、投票で決せられるが、6年椿組では、ゆりがこの大役を、圧倒的多数の投票で任ぜられることになった。
 エイリアン対策係は、ボーグと呼ばれる手足をもがれたカエルに羽が生えたような共生生物を頭に載せて、空から学校をめがけて降ってくるエイリアンを捕獲することをその役割とする。
 このボーグが、また気持ち悪く、これがエイリアン対策係をして、「もっともいやな係」とされるゆえんらしい。が、このボーグ、羽からワイヤー状のドリルを展開して、攻撃防御ともに、絶大な威力を発揮するので、ちょっと運動能力のある子であれば、フルメタルジャケット並みの活躍ができる。
 が、大谷ゆりは平凡……より、かなり劣るので、いつも、ほかのエイリアン対策係のくみ、かすみの足を引っ張ることに……。
 で、どうも、このエイリアン対策係というのは、学校ぐるみで展開される、いや、ほかの小学校にもあるようで、街、もしくは国家ぐるみで展開される極秘プロジェクトの一翼を担っているようなのである(アニメ版では、明らかにされないが、マンガ版ではその実体が明らかになる)。

 ゆりは、くみ、かすみとともに、立派なエイリアン対策係になれるか? さて、あとは本編をごらんあれ^^
 ロリアニメなんか~と言う方にこそ、見てもらいたい作品ではある。某サイトの批評で見た「ロリの皮をかぶったハードSF」という評価が、一番ぴんとくるので、あえてここで、書き残しておこう。
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