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駄目オタ徒然草
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「日本ヘタレ感想協会」(書評:NHKにようこそ)
※ リンク等、未完です。とりあえず、自分で決めた納期厳守のためにアップ。後日修正(この注意書きがとれたら、完成版です)

NHKにようこそ角川文庫
滝本竜彦
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 NHKは、悪の秘密結社だそうだ。もちろん、これは、この作品の作中に出てくる主人公の妄想。いや、妄想というには、主人公がこれを信じていないので、「言い訳」といった方が正しいのかもしれない。

 さて、この作品、ジャンル分けを頭の中でしていくうちに、ふっと「これって、日本の伝統芸能じゃん」という思いにぶち当たった。
 いわゆる純文学の一ジャンルである「私小説」である。もちろん、「自伝的作品」というのは、いくらでもあるが、これとは異なる。すなわち「私小説」と呼ばれる作品に共通する要素として、もう、この作品出版しちゃったら、はずかしくってオモテを歩けないだろっていう、作者の恥ずかしいプライベートの暴露があること。例えば、誰でもわかるところで言えば、森鴎外の「舞姫」とか、太宰治の「人間失格」とかね。この辺は、このページがリンクさせてもらってるBeltochicaを是非見てください。いや、かつての純文学作家って、凄いねぇと、ひたすら感心してしまうよ。
 と、うんちくは良いのだが、この作品も、作品中に語られる事実が、実に「いきててごめんなさい」的プライベートによって飾られている。
 いわゆる「ひきこもり」の、全く惨めな精神の紆余曲折を、もうやめてくれといわんばかりの痛々しさでつづられているのだ。そして、その引きこもりの自己正当化のために、冒頭に描かれるのが「NHK=悪の秘密結社」説である。「日本引きこもり協会」だそうだ。
 ウン、確かに、教育テレビを見ていたら、部屋を出たくなくなるよな(苦笑)。いや、それでも外へ出るのが常識人なのだが(オタ含む)、こういう誘惑が痛いほどわかるから、説得力もヘッタクレもないのに、「NHK=悪の秘密結社」説を、まるで当たり前の事実のように、話を読み進めてしまう。ボクって、引きこもりの予備軍?
 まあ、あくまで「言い訳」としての説得力なので、とにかく、読者はおろか、主人公でさえ、これを信じるわけではない。が、実に要領よくこの陰謀が「言い訳」に使われるため、けっこう、この「NHK=悪の秘密結社」説が小気味よい。

 さて、話の筋はというと、う~ん、もう、この作品については、筋を隠しても最初の40ページくらい読めば、誰でも結末は見えてしまうので、あえて隠さないけど、要は、あり得ないような素敵な少女との不思議な出会いと、カプ~ル成立へ向けた「予定調和」へ、説得力がやや薄いラブストーリーである。
 もちろん、主人公佐藤君には、佐藤君なりの葛藤があり、ヒロイン岬ちゃんには、実はそれなりとはいえないようなヘビーな背景があるのだが、それも、なんだか「かる~く」話が進められるのが、現代版「私小説」の感覚なのだろうか?
 で、その辺のストーリーは、もう良いとして(^^;、この小説の白眉は、引きこもりのディテールにある。とにかく、作者が真正の引きこもりであるそうで、その描写、例えば宗教の訪問勧誘に対して、「結構です」の一言がいえなくて、もう、あり得ないくらいしどろもどろしてしまう姿とか、それはもう、如何に脆弱さをとぎすまさなければ、引きこもりという偉業は達成できないかが、これでもかと言うほどに描かれている。
 ただし、それでも、これはちょっとと思うところもある。あくまでボクの感想なので、気を悪くした人がいたらごめんなさいなのだけど、引きこもりって、引きこもりに嫌悪感を抱くものなのか? 確かに「脱出しなければならない状況」であることは確かなのだが、状況分析や経緯をはしょって、ただ「引きこもっている=罪悪」と定型通りの構図しか見えてこない。特に隣の山崎君に対する近親憎悪に関しては、ちょっと痛々しい。なんか、大学のマン研やアニ研が自虐オタクネタで作品を作っているような、そういう不快さしか受けなかったのは、ちょっと、ボク的にはマイナス。
 それから、ストーリーの時系列描写が不親切。とにかく、引きこもりだけに、情景描写がほとんど変わらないのだから、時系列をはっきりさせてくれないと、「あれ?」と思うところが数カ所。慎重に読めば、引っかかることもないのだが、そういう読み方する小説でもないので…。

 さて、で、冒頭のあらすじなのだが、もう、ホントに数行でw 引きこもりの佐藤君が、宗教勧誘のおつきあいで、彼のうちにおばさんと来た岬ちゃんと出会いました。岬ちゃんとは、それから数度偶然出会い、とうとう逃げられなくなってしまいました。あとは故郷の後輩で隣人の山崎君、故郷の高校であこがれていたのに、落ちてしまった偶像の先輩を巻き込んで、もう、痛々しいほどのどたばたが展開されます。
 あとは、じっくり読んでも2時間ほどで読めるので、読んでください^^;

ps.昨日、なんか書店でちらっと見たんだけど、これって、コミック化されてる? そっちで読んだ方が面白いかも?
ppss.今リンクの作業で、ネットを検索したら、アニメにも成るの? どうやって?????? 興味は尽きません^^
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