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駄目オタ徒然草
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「特殊相対性イソップ」(アニメ評:キノの旅)
「キノの旅」全13話
監督:中村隆太郎 原作:時雨沢恵一
2003年冬頃視聴終了

『キノの旅』
 スゥイフトの「ガリバー旅行記」を現代風にアレンジすると、こんな風になるのだろうか? 非常によくできた大人のための童話。

 元々は、小説として、出版されたもの。たまに書店で特集を組んでいたりすることがあるから、もしかしたら目にした人は多いかもしれない。ただ、電撃文庫という出版形態と、その表紙のアニメアニメしたイラストで、購入をためらってしまう人も多いかもしれない。かくいう筆者もその一人。
 もっとも、そのうち「買って読むぞりスト」には、載せていたので、この作品のアニメがでているという話を聞きつけて、早速レンタルしてみた(買わなくてすいません、文庫の方は買います!)。
 もちろん、アニメが原作のイメージをぶちこわして、原作に悪影響を及ぼすことが往々にしてあるのは、ご存じの通りだが、幸いにも、このアニメの評価はそれとは異なるものだそうなので、安心して視聴してみた。

 物語の冒頭、いきなりキノが旅をしている。旅人の教訓と、それを教えてくれた師匠についてのモノローグはあるのだが、いったいなぜ旅をしているのか、師匠とはいったい誰なのか、そして、キノが虚空に向かって話しかけたときに、答えてくれるエルメスって誰?
 と、かなり取っつきにくい印象で、このアニメは始まった。

 1話の途中までみていくと、キノの対話しているエルメスというのは、どうやらモトラドと呼称される「バイク」らしい。バイクがしゃべるというのも奇矯なのだが、周りの人間も、もちろんキノ自身も素直に受け入れているので、この世界では当たり前のことなのかもしれない。
 もちろん、何でもかんでも無機物に命が宿るわけではなさそうで、このエルメスが命を持っている理由も、このアニメの終盤で語られる。

 キノの行く先々の国は、どれもいびつなものを持っている。例えば、機械化されて人間が働かなくて良いにもかかわらず、なぜか人々が勤勉に無駄な作業を仕事として続ける国。高い塔を作り続けるが、なぜ作るか、何のために作るか、忘れ去られている国。予言によって国が動き、まさに今その破滅の予言の日が訪れている国。
 これらの国は、物語の中に、それぞれいくつかの寓意を忍ばせるために、ある一点だけゆがめて誇張され国の形が作られている。そして、キノが立ち寄ることによって、そのバランスが崩れ、崩壊したり、全うになったりする。
 が、キノは主体的にその国のことには関わらない(例外はある)。単にキノが立ち寄ることによって、異物を取り込んでしまった国が自己矛盾を顕在化させたり、是正されたりするだけ。キノは、自分が国に対して影響を及ぼすことをさけるため、もしくは、師匠の教えの通りに、2泊以上はその国に滞在しない。

 と、まあ、こんな感じ…、としかいいようがない。

 淡い恋物語もなく、全体を通したくらいマックスもない。キノが成長するわけでもなく、ただ淡々と、異常な日常が描かれていくという、どうにもイノセントなお話。
 もちろん、だからダメ作品ということではなく、むしろその逆。原則として1話完結の物語は、どこからみても良いが、ちょっとだけ「秘密」があかされる話があるので、やっぱり、最初から順にみる方がいい。

 昔、子供の頃、イソップ童話を読んで、すごく基本的な社会のルールを学んだように、大人がこれを見るとき、ちょっとだけ居住まいを正して、そこに含まれる寓意を考えながら見てみることをおすすめする。
 もちろん、その含まれる寓意は、イソップと、キノの旅では、ニュートン力学と、相対性理論ぐらい難解さは違うけどね。
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