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駄目オタ徒然草
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「『萌え』禁止!」(アニメ評:フィギュア17)
「フィギュア17」全13話 テレビ東京
監督:高橋ナオヒト
視聴日 2002年春頃

『フィギュア17』

iconフィギュア17公式サイト

 某所で、1000字レビューを書いた際に、「北の国から」と「超人バロム1」を足して、隠し味に「萌え」を…。と、紹介したのだが、だいたいそれでこのアニメのアウトラインは押さえられていると思う。

 が、あくまでアウトラインであることは注意を要する。一貫してこの作品が丁寧に、かつ繊細に描いているのは、引っ込み思案で、自分を正直に出せない少女が、その少女期から思春期に至る前のほんのわずかの時間に、ちょっとだけ成長する姿だからだ。

 まず、冒頭のあらすじを。

 つばさは、早くに母親を亡くし、父親と二人暮らしだが、父親が友人のつてを頼って、北海道の田舎(富良野か、十勝っぽい風景)に引っ越す。つばさは、元々引っ込み思案で、友達も少なかったところ、都会からの転校でよりいっそう自分の殻に閉じこもり気味になる。
 一方、太陽圏を通過しようとする、一隻の宇宙船。「マギュア」と呼ばれるモンスターを搬送途中だったが、事故で地球に不時着する。マギュアのいくつかは北海道の各地に散らばって落ちる。
 不時着した宇宙船の搭乗員DDは、まず、船に残っていたマギュアをたたくために、「リベルス」というカプセルに閉じこめられた金属(?)生命体と合体(合体後の姿を「フィギュア」というらしい)し、戦うが、返り討ちにあう。
 そこへ、墜落を見て興奮しその場所へ走った犬(テンマルって名前だったと思う)を、追いかけてきたつばさがやってくる。リベルスが、つばさと接触してしまい、フィギュア17となってしまう。
 DDではかなわなかったマギュアに対し、地球人との接触により通常以上の能力を得た(と思われる)フィギュア17は、これを倒してしまう。
 戦いが終わり、合体を解除したそこに現れたのは、つばさと、そしてつばさにうり二つの、意志を持ったリベルス、「ヒカル」だった。

 帰還の方法も、残存するマギュアを倒す手だてもなくしたDDは、救援を呼ぶ一方、周囲の者の記憶を操作し、ヒカルを、つばさの双子の姉妹として、自分はカメラマンとして、つばさの家に転がり込むことになる。残るマギュアを倒すために、つばさの力を借りながら、DDは自分の不手際(笑)を、何とか片づけていく(4話目以降は、救援にやってきた高圧なDDの同僚オルディナ嬢もも加わる)。
 最初は、恐怖から、マギュアと戦うことを拒否するつばさだが、つばさとは正反対の性格のヒカルとふれあううちに、家庭でも、学校でも、すこしずつ前向きに生きることを学んでいき、そして、ヒカルのため、みんなのために戦うことを選んでいく。

 と、これで2話目程度か?

 もちろん、つばさは、まっすぐ階段を上っていくがごとく成長するわけではない。一歩進んでは、半歩下がるような、時には哀しい出来事のため、別の迷い道に迷い込んでしまうようなこともあるが、そのたびに、ヒカルが、そして、友達や、父親が優しく進む道を指し示してくれる。
 その成長は、見ている方がもどかしくなるほどに、遅々としたものだが、それが、かえってリアリティーをかもしだす。

 確かに、つばさが成長するのは、マギュアと戦うことを通して、弱い自分と戦い、勇気を奮い立てることにもよるのだが、何よりもこの作品で描かれているのは、人とふれあうこと、人を慈しみ、時には人に頼り、そして、人に対する優しさと思いやりを得ること、人はそのことによって、もっとも成長できるのだということ。
 実際、つばさが戦いを拒否し、オルディナとDDでマギュアを倒すエピソードもあるのだが、そのときもつばさは、クラスの友達とふれあうことで、一つ成長している。
 だからこそ、よけいに、あの最終回は号泣ものなのだと思う。

 そう、この作品は、ハードSFの衣をまとってはいるが、その本質はヒューマンドラマなのだ。
 また、この作品は、アニメにもかかわらず、1話の尺を60分でとり(テレビ東京放映時は、1話を二分し、30分ずつ放映していた)、1話完結のエピソードであるが、そのストーリーを丁寧に作り上げることに成功している。しかも、エピソードによっては、全く「戦闘」がない話もあるが、これは前述したように、制作者の意図が、つばさの心の成長を描くことにあったためと思われる。

 さて、この作品も、その外見(美少女…というか、幼女アニメ)から、多少なりとも偏見を持ってみられているのではないかと思う。ある意味、そこに描かれているドラマ自体は、現代版の「北の国から」であり、いわゆる「マニア向け」に特化した作りをしているわけではない。だから、できれば、アニメを見ない層にこそ見てもらいたいと思うのだが、まあ、無理だろう…。
 が、少なくとも、アニメに抵抗がない層については、食わず嫌いをせず、ぜひ、見てみてほしい作品だといえる。

 ちなみに、漫画も出ているらしい。立ち読みでぱらぱらとめくってみたが、「丁寧さ」「人間の描き方」について、このアニメ版には、足元にも及ばないと思われる。できれば、漫画から先に読まないでほしい。多分、アニメにたどり着くまでに脱落する人が、多そうだから…。
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