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駄目オタ徒然草
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「ある意味パラレルエヴァ…」(アニメ評:デュアル)
「デュアル~ぱられルンルン物語~」全14話 AIC
原作:梶島正樹 監督:秋山勝仁 


 ああ、どうして、こんなタイトルなんだろう…と、泣きそうな思いでレンタルしたのだが、いや、実におもしろかった。こんな間の抜けたタイトルにも、それなりの作者の意志が語られているんだなぁ。と、今更ながらに感心。

 制作自体は、結構古い作品。と、いっても、1998年制作だから、エヴァンゲリオンの影響をもろに受けている作品ではある。この辺は、正直そこまでやるか? と、思えるようなことも、平気で「パクリ」をしているのだが、まあ、ご愛敬かもしれない。前半の「エヴァもどき」の作風も、後半のオリジナルな(というのも変なのだが…)脚本のために、「意味」がでてくるから許せるだろう。
 AIC制作ということで、作画レベルは安定しており、乱れるということは全くない。CGレベルは、お世辞にも高いとは思えないが、それは制作年を考えれば、こんなもんだろうと思える。

 唯一、不満といえば「音」がすかすかな点。オープニングも、味はあるのだが、いかにも、アーティストと、曲のアレンジで経費節約しましたっていう感じ。まあ、でも、結構オープニングのあの曲、好きですが^^;(検索している途中で、同嗜好の方発見! それ自体驚き!)。劇中BGMも鳴っていない時間の方が多いくらいで、それが、作品のイメージを損なわなければいいのだが、あれだけにぎやかなストーリーで、効果音とせりふだけというのも、なんだか物足りなく感じる。この辺は音楽監督の力量なのかもしれないが、非常にチープに感じる。

 と、まあ、不満はあるが、それを差し引いても、ここまで不当に評価が低いというのも悲しいものがある。
 いっちゃ何だが、質的にずっと低い作品が映画にもなったりしていることがあり、それはそれでボタンの掛け違いって、怖いなぁという気もする。まあ、AIC自体がどうも浮かばれない制作会社っぽい気もするが…(BONZとかXEBECとか、たいして作品の質量が変わらない制作会社が、ばんばんヒットとばしてるからねぇ)。

 さて、まずは冒頭のあらすじを。
 主人公、四加一樹は、見えないものが見える高校生。見えるものは、背後霊とか、地縛霊ではなく、市街地で戦闘を繰り広げるロボット。彼はお気に入りの白いロボットに「ハルツィオーネ」と、勝手に名前を付けて、そこで繰り広げられる戦闘を自分のHPにアップしている。その名も「ぱられルンルン物語」。まあ、そんなことをしているわけだから、周りからは変人扱いされ、どうも現実世界では居づらいらしい。
 が、ある日、学校の人気者、美人の真田三月から声をかけられる。曰く「あなたの見えるものに興味がある」と。
 最初は、また自分をからかうつもりなのかと、邪険にする一樹だが、まあ、美人のお姉さんに絡まれてうれしくないはずはなく、三月のいうがままに、彼女の家に行くことに…。
 ところがまっていたのは、三月のパパ…。マッドサイエンティストの賢(一応、高名な物理学者ということらしいが、やってることは、明らかにマッドですな^^;)。どうも、異世界が見えるという一樹君が、彼の研究、平行世界へ飛ぶのに適当なモルモットだと思ったらしい。
 もちろん、いくら何でも、いきなり実験台にくくりつけて、とばすところまでは、マッドサイエンティストといえども、できなかったみたいで、一所懸命説得することに…。ところが、三月がふと腰掛けたところが装置のスイッチで(お約束ですな^^;)、哀れ一樹は平行世界へ。
 とばされた世界は、一樹のいた世界と近いらしく、一樹の会う人はみんな、見慣れた顔ばかりだった。ところが、2つ、違うことがあった。一つは、一樹が幻影の中で見ていたロボットが、本当に戦っていたこと。そして、この世界には、一樹と対をなす人が、誰もいなかったこと。
 で、とばされた一樹は、いきなりロボット同士の戦闘のさなかに出くわすことに。一樹の目の前でうち倒される「ハルツィオーネ」。コクピットが開き、女性が倒れる。なんだか、助けなきゃ! と、思った一樹はやおらロボットに乗り込み(ハイ、お約束です!)、そのロボットと、驚異のシンクロをし、敵をうち倒す。が、奥ゆかしい一樹君、倒した後は、さっさとずらかり、自分の家を探しに(この時点では、まだ平行世界にいることに気づいてない^^;)。が、現実は厳しく、この世界の一樹の家には、一樹の存在はなく、両親に「泥棒」呼ばわりされて、家から追い出される。行く当てもなく、さまよう一樹を突然、軍隊が囲む。
 つれてこられたところは…。またいやがったよ、真田賢…。どうも、こちらの世界では、私設の軍隊「地球防衛軍」の司令長官らしい。そして、彼に呼ばれてきたのは…。三月。
 実は、彼女も1ヶ月前のこの世界にとばされたらしい(飛んだ経緯は、最後まで語られなかったが…)。で、一緒に戦うことになるのだが…。

 まあ、ありそうでなかった、パラレルワールドもの。設定は、非常におもしろいし、エヴァというより、どちらかというとタイムボカンシリーズのノリの戦闘は、なぜかほのぼのしている。こうなると、「タカビー」な三月が「赤い2号機」に乗っていることとか、なにやら遺跡文明の末裔の「クローン」らしき(ホントはちょっと違うが)、D(ディー)が、「ぼそっとしゃべる美少女」で、「水色の機体」の3号機に乗っていることとか、「三月と、一樹が、チームワークのために同居する」とか、「戦闘で沈黙した一号機を、『動け、動け、動いてくれー!』と叫んで、動かしてしまう」一樹とか、「3人の機体の背中に、なにやら板のような突起物がついている」とか、もう、「いっそ、エヴァ2号機改っていったほうがいいような機体とか」、全然気にならない………わけないよな^^;。
 えっと、いや、何であんなに似せたのか、エピソードによっては、ホントにパロディーじゃないかって思える回もあって、正直、6~7話くらいまでは、「オイオイ」とか思いながら見てた。
 でも、これって、それで終わらない。AIC制作の作品は、きちんとした終わり方で、最後まで見たカタルシスというか、納得というか、そういう感慨を抱かせるものが多いけど、まさにこの作品がそう。
 中途までは、上に書いたようにまさにエヴァネタ満載で、エヴァをコミカルにすると、こうなるのかぁと、思えたのだが、中盤からは、オリジナル(だから、なんか違和感があるんだよなぁ^^;、この表現…)で、少々シリアスな話も交えつつ、それでも明るく楽しいストーリーで、ぐいぐい視聴者を引っ張っていくシリーズ構成は秀逸。
 敵方も、もちろん味方にも「悪意」のあるキャラは、一人もいないっていうのが、ほっとする。
 タイトルの「ルンルン」は、一樹がもう、もててもてて、仕方がないって設定のことを指すみたいだが、この辺は設定とストーリーで説得力を持たせているので、あんまり違和感がないし、三月が、結構かわいいのも魅力。

 で、ですね。正直エヴァのパクリはもうこりごりだという方、半分くらいまでは、鼻くそでもほじりながら見ててください。そういうのには、もうなれたという方、実は案外かっこいい主人公メカのアクションに注目してください。オープニングの1~3号機のアクションは、秀逸ですよ。それから、エヴァのアスカ系のタカビー女に萌えの方、話が進むにつれての三月の心境の微妙な揺れを、楽しんでください。いや、実にかわいいんですわ、このお嬢さん^^;。
 個人的には、見て損はない作品だと思いますよ。是非是非。
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