fc2ブログ
駄目オタ徒然草
 レビューを中心にご覧になりたい方は、カテゴリーの月別インデックスをクリックすれば、一覧表示が見られます。
「ところで、『まぶらほ』って何?」(アニメ評:まぶらほ)
まぶらほ」全26話 J.C.STAFF
監督:木村真一郎 原作:築地俊彦
maburaho

 いつか、書こうと思っていた。はじめて見たのがもう2年くらい前になり、実はその後何度か見返してみた。「とても面白い」というわけではないが、なんだか、心の片隅に引っかかる作品。
 まあ、それなりの色気と、綺麗な作画は、ある種の固定ファンの心をわしづかみということはないだろうが、いわゆる「萌えオタク」のニーズを満たすものではあるから、一定の支持は得ているのだと思う。
 原作は、いわゆるライトノベル。残念ながら読んでいないし、読む気もないが、人気があるからこそ、アニメ化されたのだと思う。アニメ化されたのは、全編ではなく作品の一部らしいということは、ウェブ上でちょっと調べたら分かったこと。最終話に画面の片隅にしつこいようにでていたキャラがいたが、そのキャラが原作では、今後重要な役割を果たすらしい。もしかしたら、第2部の制作の話があったのかな? 残念ながら、その後そういう話は聞いたことがないが…。まあ、ダカーポが、パート2やってることだし、始まってもおかしくないことではある。制作会社のJ.C.STAFFが、非常に細やかな仕事をするので、パート2ができれば、それはそれで楽しみかも…。

 さて、作品のあらすじをば…。
 この作品は、現在の世界と似ているがちょっと違う世界。魔法が社会システムの一部になっており、この魔法が使えるか、どれくらい使えるかが、社会階層でどの辺にいけるかの指標となる。
 主人公式森和樹(以下公式ページキャラ紹介参照)は、葵学園の学生。この学校(全部がそうなのか走らないが)は魔法学級がある名門。特に和樹がいるクラスは、一癖も二癖もある魔法使いがわんさとおり、問題クラスでもある。
 そんな中で和樹は、たった8回しか魔法が使えない落ちこぼれ。しかもお人好しで押しが弱いから、クラスの中でも最下層の位置に属するらしい。
 が、ある日、突然その状況ががらっと変わる。まず葵学園にこの作品のヒロインたる美少女宮間夕菜がやってくる。やってきた早々、和樹に「あなたの妻になります」と宣言。まあ、よくある押し掛けびっくり妻パターンだが、その理由は…。
 時を同じくして、上級生の風椿玖里子と下級生の神城凛(こちらは、微妙にスタンスが違うが…)も、和樹に言い寄ってくる。

 さて、実は、和樹の先祖をたどれば、安倍清明やノストラダムスや、その他諸々の、まあ、魔法使いというかそういう能力のある者の血がふんだんに混ざっており、和樹の遺伝子はその子に爆発的な能力を有する魔法使いを生み出す可能性があるということが判明したからというのが、この、立場180度転換の理由。
 そこで、名門風椿家のご令嬢や、神城家の娘、宮間家の娘が、この遺伝子を獲得すべく、それぞれ実家から和樹を落とすよう命じられてきたというのが真相。
 もっとも、その中で夕菜だけは、少々ニュアンスが違うらしいことが、だんだん分かってくる。

 というわけで、ラブコメのどたばたが始まるのだが、実は、この魔法回数制限の設定には、もう一つ重大なポイントがある。魔法を使い切ってしまうと、灰になって消えてしまうのだ。ところがお人好しの和樹は、8回しかない魔法制限をどんどん使ってしまう。そして、とうとう最後の1回も使ってしまい…。
 というのが中盤までのあらすじ。

 世界観が面白いことを除けば、まあ、ありきたりの話ではある。が、それだけなら、それほどボクが惹かれるはずもなく…。

 いうまでもなく、この作品のポイントは、「魔法」が当たり前の世界であるということ。ハリーポッターよりも、魔法が日常化している。しかも、いかにも日本的なのだが、魔法は数値化され、科学的にある程度分析されている世界。
 実は、この作品「魔法」というワードを使っているが、少々の毒をもって、「能力」を数値化して、人の将来を「偏差値」とか、「知能指数」で計る現代社会(少々古いイメージだが)の風刺でもある。その数値で計るヒエラルヒーでは落ちこぼれである主人公が、実はそのヒエラルヒー自体をひっくり返すポテンシャルの持ち主であるというところが、いわゆる「偏差値」教育からは「天才」は生まれないことの写し鏡になっている。
 もちろん、原作も、このアニメ自体もその対象は、いわゆるオタク層であるから、そんな小難しいことを正面に据えているわけではない(少なくともアニメはそう)から、そんなことを声高に主張するキャラも、それを正面切って批判するエピソードもない。だが、生まれてくる軋轢、矛盾はまさにそのことにあることは、誰でも何回か見れば、何となく気づく。
 特に、中盤以降、主人公が「幽霊」になると、その辺のことは、より一層あからさまになってくる。「幽霊は生徒ではない」「幽霊は(子孫を残すことができず)価値がない」と、それまで以上に主人公を虐げるクラスメイト。いったんはヒエラルヒーをひっくり返されそうになった者達の、再復讐はえげつない。

 もっとも、そんなことを考えながら、この作品を見るのは、やや無粋とも言える。要は「非モテ」が、偶然の理由から「モテ」要素を備えた超人であることが分かり、モテ始めるのだが、最後にその主人公の危機を救うのは、「モテ」要素から主人公に近づいたものの、その主人公の人間としての魅力に惚れてしまった者、そして、もともと「非モテ」の頃から、その主人公の人間性に気づき、ずっと想いを秘めていた者だったということ。
 はっきり言えば、普通のラブストーリーっていうわけだ。

 そして、この普通のラブストーリーを、仕事が丁寧(やや平板ではあるが)な、J.C.STAFFが、きっちりと作り込んでいるから、作品としては、繰り返し見たり、じっくり見たりする対象足り得る良作となっている。
 正直、あまり期待してみるのもどうかとは思うが、設定や、いろんなところの1000字レビューで紹介されている内容を見て、見切るほどには駄作ではないと思う。

 ただし、個人的な感想をもう一言だけいわせてもらえれば、でてきたヒロイン達の「絵」が好きになれない。キャラデザインがボクの「ストライクゾーン」に入ってこないわけだが、まあ、そんなことは好みの問題なだけでどうでも良いわけで、それでも、繰り返し見るということは、深層心理では「絵」が気に入っているのか、それともストーリーが気に入っているのか、自己分析はできていない。
「どこまでも真っ平ら」(アニメ評:北へ。)
北へ。」全12話
監督:ボブ白旗 原作:広井王子
北へ。

 さて、1週間以内に書くという予告は失敗したのだけれども、これから書く「感想」も、おそらく失敗。失敗する理由は、薄々分かっている。正直これは、原作となるゲームをプレイしていないと、全くドラマに感情移入できないだろうと思われるし、作品世界そのものが理解できないから。なまじ、ヒロイン達が(ボクの感性には)「絵」として魅力的だから、もう、どうしようもない。

 さて、本作は、以上のようにいわゆる「ギャルゲー」を原作とするアニメである。ギャルゲーをアニメ化する場合には、幾つかの方法がある。既にボクが取り上げている「Kanon」や「AIR」は、主人公目線で、そのゲームのストーリーを一人のヒロインの攻略路線で描く方法。絶対的なヒロインがいる場合、例えば「Kanon」であれば月宮あゆ、「Air」であれば神尾観鈴、この場合にはこの方法でストーリーをたてるのが無難と思われる。
 ただ、この方法だと、別のヒロインに感情移入したファンはついてこれない。むしろ不満の種になる。それでも、AIRのように、明らかにメインヒロインがはっきりしている場合には、納得もできようが、並列的に各ヒロインに魅力がある場合には、もはやこの方法は採り得ない。
 そこで取られるのが、サブストーリー、あるいは外伝として、各キャラクターのゲーム外のお話を新たにつくってアニメにする方法。ファンが作るSS(ショートストーリー)的な要素が強い。
 この方法で作られた「元祖」は、おそらく「センチメンタルジャーニー」だと思われる(違ったらご指摘ください)。
 この作品は、くそゲーとして名高い「センチメンタルグラフティー」のキャラを使って、主人公と再開しなかったifの世界(あるいは、まだ現れる前)を描いている。
 実は、このセンチメンタルグラフティーは、ボクが人生の中でやったたった2作品のギャルゲーの1本(但し、現在3本目やり始めている!w)で、その作品世界を知っている(しかも、かなりはまってプレイした)から、実に面白くアニメも観ることができた。

 そして、本作「北へ。」も、このパターン(らしい)。

 で、どうかというと、「う~ん」とうなることになる。
 まず、問題なのは、原作を知らないと、どのストーリーも平板であるということ。6人しかヒロインがいないにもかかわらず、例えば原田明理と茜木温子のキャラがかぶって見える。不倫を扱っている催馬楽笙子のストーリーも、そのことに対する彼女の葛藤はほとんど無く、大人の恋愛を描こうとしているにもかかわらず、ヒロインの行動がやけに子供っぽく描かれている。また、各キャラが原則2話という割り振りだったため、その中でエピソードに起承転結をつけようとすると、どうしてもキャラクター描写が駆け足になり、むしろ、「ゲームで予習してください」と、いわんばかりのすっ飛ばし方をしたスオミなどは、どじキャラなのか、直情キャラなのか、引きこもりキャラなのか、全然分からないまま話が終わり、彼女の少年にとった行動が「意外」なのか「至極当然」なのかさえ判断つかないままだった。
 不満は他にもある。背景が雑。正直、ボク自身が北海道に住んでいたことがあり、また、その際に各地を遊び回った経験からいえば、もう少し背景を魅力的に描いてほしかった。比較するのもなんだが、同じ北海道を舞台に描いている「フィギュア17」あたりのレベルくらい満たしていれば、ストーリーはともかく、情緒はある作品になった要素はある。
 作画に関しては、非常に危なっかしい回もあったが、何とかぎりぎりセーフ。この作品がキャラクターのかわいさでもっている作品だと思えるので、これが崩れたら、本当にアウトだったろう。

 それから、最終話。最後の1話で各ヒロインがそれぞれに交わりを持つ。これも、必然性はなくまた、昼間っからダイヤモンドダストが、それも千歳と札幌で同時に見られるなんて、あり得ないし、明里のエピソードの中での突然すぎるエピソード挿入が伏線なのだろうが、ホントにとってつけているとしかいいようがない。
 また、最終話にちらっとでてきた赤いウェーブ髪の女性。意味ありげだったので、公式ページを見てみたら、実は7人目のヒロインだった…。まあ、確かに、テレビ放送も視野に入れたアニメのヒロインとしては扱いにくい背景をもっているキャラではあるが、う~ん…。
 彼女の話を入れた方が、この平板な物語に変化をつけられたかも。個人的にはスオミと彼女の扱い方を、「一般受け」を狙って軽くあつかったあたりに、どうも「単独の」アニメ作品としてのインパクトを欠く結果になった一端があるような気がする。

 まあ、ゲームをしたことがない人には、今ひとつおすすめしかねる気がする(ゲームをした人にお勧めかは、やってない者としては、もっと分からない)が、キャラはかわいい^^; もっとも、公式ページを見たら、原作のキャラの方が、もっと良い…。


「称号授与」(アニメ評:こいこい7)
こいこい7」全13話 トライネットエンターテインメント・スタジオフラッグ
監督:ふじもとよしたか 原作:もりしげ
Koikoi



 うわぁ~、久しぶりだよ、こんな「バカアニメ」。全話見ての感想は、「視聴時間は丸々無駄だったが、その間、とりあえず何も考えずに頭を休められたから、人生としての差し引きはゼロ」

 ちなみに、原画動画ともに最悪。ストーリーも、あって無きがごとし。実は設定自体はかなり大胆にぶっ飛んでいるのだが、その設定を生かす演出はほとんど無し。キャラクターも最近のアニメにしては、「かわいくない!(←まあ、このみはそれぞれかもしれないが…)」かろうじてエンディング曲が最低限のクオリティーを保っているが、それとても、古くさく…。
 それから、エロアニメとして、裸や水着・下着のシーンは満載なのだが、前述の通り原画・動画ともに最悪なので、ちっともエロくない(苦笑)。さらには、ガンダムネタ・マリア様がみてるネタのパロディーや、アニメ業界の楽屋落ちネタまでやってくれてるが、正直「それで?」というほか無く、おもしろみが分からない。

 ところで、この作品には『原作』がある。同名の漫画で、月刊チャンピオンREDに連載されている。キャラクターも、ほぼ同じ。ベースの設定も、ほぼ同じ。
 が、『原作』を二重括弧書きにしたのには訳がある。話が全く違います(爆)。原作では巨大ロボットも、宇宙ステーションもでてきません。水泳大会もありません^^; 話はヒロイン達が「サイボーグ」であること(アンドロイドでは無い点がポイント)の理由、そして、その葛藤と、そこから生じるトラブルを非常にダークに重々しく描いている。眼帯ちゃんも、実は、すごくディープな人物設定になっているし、なにより、謎の設定の仕方が秀逸。

 …なんで、原作者、こんなアニメにすることを許したんだろう?…。

 さて、設定というか、あらすじというか…。

 主人公田中哲朗は、五光学園に転校(入学?)したのだが、実は、この学園、女子高だった(この辺から無茶なのだが、これは原作でもある設定なので…)。しかも、通学路では、空飛ぶ女子高生や、バズーカー片手の女子高生が、アパッチとおぼしき戦闘ヘリと市街戦。田中哲朗が学園の門をくぐろうとしたときには、巨大ロボットを積んだトレーラーが脇をかすめる。
 いったい、ここはどこ?

 これは、いったいなにがはじまるのか?

 しかし、そう思ったのもつかの間、始まったのは学園どたばたラブコメディ~。って、ええええええっ!

 いや、もちろん、そんなわけないよな、と、見続けると、第1話の終わりには、女子高生が操る巨大ロボットと、素手の女子高生(一部武装済)がどんぱち? うわぁ、なんか斬新だけど「いかなる理由で戦ってるのか、さっぱり分かりません」。

 ヒロインのやよいちゃんは、「哲朗さんをお守りします~」とのことだが、結局「なぜ」お守りするのかは、最後まで藪の中。うわぁ~っ。
 しかも、やよいちゃんだけでなく、こいこい7と称する、哲朗の周りの美少女軍団(笑)は、全員サイボーグ。なんで彼女たちはそうなったのか?! でも、これも詳細は語られず…。

 もう、ほとんど拾うことを考慮に入れずに投げっぱなしのお話作り。意味深に前半の各話終了間際にでてくる「綾波レイ似」の美少女も、その正体は引っ張った割には、えらくあっけなかったし、しかも「セリフ解説で謎解き」ですか!
 エンディングで画面いっぱいに並ぶ、アルファベット表記(おそらく韓国人名)のスタッフロールが、言い訳にしか見えない…。

 実は、このアニメ、ネットを検索してみると、コアなファンが結構多い。その楽しみ方を見ていると、(1)キャラ萌え、(2)パロディー本位の2種類に分かれる。
 しかし、僕としては(1)については、前述の通り「かわいく思えない」から、無理。(2)については、ネタのパロりかたにひねりがないからおもしろく思えない。
 ということで、冒頭の感想に戻ることになる。

 が、ここからがミソなのだが、とにかく機会があれば見ることをおすすめする。そう「バカアニメ」とは言ったが、「ダメアニメ」とは言っていない。この差は大きい。
 何を言いたいかというと、少なくともこのスタッフ達は、この作品をまっとうな作品として仕上げる気など、毛ほどもないように思えるし、じっさい、そのように作り上げているということ。猫にキーボードを打たせてシナリオを書き、左手で原画を描いた上で、動画は一こまずつ別人が描いているような、そんな雰囲気を「最初から狙っていた」はずなのだ。
 そういう作品に、駄作だ、ダメだという批評は、まさに的はずれにしかならない。以下に無茶苦茶かをあげつらい、脱力してみせるのが正しい鑑賞法だと思う。
 ええ、もちろん、全13話、そうやって見ましたとも^^。

 そのうえで、「バカアニメ」の称号を贈呈します。

 合掌。

p.s.
 原作は、読んで損はないですよ。まだ完結していませんが、よく練ったストーリーと設定は、なかなかに読ませる作品です。
「アサクラ」はオマージュ?(アニメ評:D.C.~ダ・カーポ~)
「D.C.~ダ・カーポ~」全26話 ZEXCS
監督:宮崎なぎさ 原作:CIRCUS

 どうも、このころから「妹萌え」というムーブメントがあったらしい。実際に僕自身の妹が、兄思いのかわいいやつなので、分からないでもないが、それにしてもねぇ…。

 さて、もう一つ確認しておかなければならないのは、原作のCIRCUS。はて、そんな作家(漫画家)いたかな? 最近の新人? と思われた方、あなたはまだ引き返すことができます(笑)。悪いことはいいません、まっとうな道に戻ってください。
 というのも、これ、いわゆる18禁ゲームメーカーなのですな。詳しいことは僕自身も知らないのだが、以前埼玉県だかで「18禁ゲーム」のイラストを、県(市?)のポスターに使って大問題(苦笑)になった、その元ネタの「水夏(すいか)」の制作メーカー。
 もっとも、最近はコンシュマーゲームや、全年齢対象ゲーム、はてはキー局(テレビ東京)のアニメの原作になるようなものまで作っており、まあ、それほど日陰の存在ではなくなっているような気もする。

 というような背景をさくっと述べた上で、まずは設定と冒頭のあらすじを。

 設定は、お約束通り「ヒロイン(血のつながらない妹)」と二人暮らしの主人公、朝倉純一が、モテモテの話。主人公の特技は魔法(!)と、いっても、おまんじゅうを出せるだけ。しかも出すとおなかが減るので、あまり役には立たない。基本的には良いやつなのだが、やはり優柔不断…もとい、誰にでも優しい。
 ヒロインは、主人公が子供の頃に引き取られてきた朝倉音夢(ねむ)。兄思い…というより「おにいさんにぞっこん」。
 まあ、そんな二人だが、とりあえず、一線は越えることなく慎ましく地元の中学に通っている。
 ところが、新学期に二人の幼なじみで、ずっと海外に行っていた芳乃さくらがやってきて、隣の朝倉純一の祖母(故人)の家から同じ中学に通うことに…。早い話が従妹なのだが、これがなぜか数年前と同じ姿のどこからどう見ても小学生? しかも初っぱなから「お兄ちゃん(純一のこと)好き好き」で、当然音夢と一悶着も、ふた悶着も…。話はこの3人の関係を軸にすすんでいく。
 といっても、話らしい話が進むのは、中盤折り返しのあたりからで、それまでは、いわゆるキャラ萌えストーリーで、ゲームで攻略の対象となる美少女達のエピソードを、まあ、おもしろおかしく入れていくから、とりあえず早送りモードでもOK(というか、この作品、1クール目の1話の正味は15分程度で、あとは声優のイメージ映像だったり、サイドストーリーと称するメインキャラクター達を使った不思議ストーリーだったり…)。
 ところで、この物語の舞台となる「初音島」は、1年中散らない桜が咲き誇る。もちろん、そんな設定が物語にかんでこないわけないのだが、とにかく1クール目では、まるで無視されるかの如く、桜の設定は置き去りになる。
 が、実は、1クール目のそれぞれのキャラクターの設定は、全てこの枯れない桜が絡んでいたというのは「うまい」。実はこの桜、さくらがかつてかけた「願い」と重要な関わりがある。そして、この「願い」が、物語後半のポイントとなるのだが、いや、それをいってしまうと、もろネタバレになってしまうから、いいたくても言えない…。

 正直な感想をいってしまえば、前半はつまらなかった。後半もサブヒロインが前半の物語であかした苦悩や、問題を、「枯れない桜」をキーワードに、淡々と消化していくエピソードは、退屈だった。
 もちろん、それぞれのキャラクターには「物語」があり、それが主人公を軸に一つ一つ桜の花びらが散っていくがごとく、穏やかに動くストーリーづくりは、この手の作品にしてはうまいと思う。が、しかし、純一、音夢、さくらの3人を取り巻くエピソードが、あまりにも重厚なので、正直「じゃま」にしか思えなかった。ある意味、サブヒロイン達の「攻略」なのだが、物語にするならば、全部まとめて1話に放り込めなくもない程度の話である。
 そのうえで、さくらの苦悩、音夢の葛藤、純一の決意を、もっと丹念に描ければ、物語としてはかなり上等な部類になったような気がする。
 まあ、その辺が「ギャルゲー原作」の呪縛なのだから、仕方ないといえば、仕方ないのだが…。

 とはいっても、個人的には、プラス評価の作品ではある。これは、上記の点を差し引いたとしても、「アニメーション」としてのクオリティーは、まずまずだからだ。
 ただ、ちゃんとした物語を期待する人にとっては、第1クールを我慢できるかが評価の分水嶺になるかもしれない。この辺は微妙だろう。僕は後半まで「惰性」で見続けて、まあ正解だったかと思う。

 あ、オープニング(曲)と、エンディング(曲)は、なかなかいいですよ。

 ちなみに、現在、この続編「D.C. SecondSeason」やってますが、さくらも音夢も"まだ"でてきまへんそうです(録画してるけど、忙しくてまだ見てない…)。まあ、今回も後半勝負でしょうか(笑)。
[「アサクラ」はオマージュ?(アニメ評:D.C.~ダ・カーポ~)]の続きを読む
「それは結ばれる運命…」(アニメ評:まほらば)
「まほらば」全26話 テレビ東京 JC.STAFF
監督:木村真一郎 原作:小島あきら

 「これ、どっかで見たこと…、」というくらいのデジャビュになるのは、多分結構な年齢の方か、高橋留美子ファンの方かと思う。
 設定は、ほとんど「めぞん一刻」そのままと言っていい。もちろん、絵柄やキャラクターの年齢等は、さすがにそのままというわけではないが、出てくるキャラクターのポジションや、名前の付け方パターン(本家は名前に数字が、一方こちらはキャラクターのイメージカラー(?)がそれぞれ)まで似ている。
 もちろん、似ているのは設定だけではなく、「主人公とヒロインの間で、何かありそうで、なんの進展もないが、シリーズをなが~~い目で見ると、わずかに動いた形跡が…。」という、物語の作り方まで似ている。
 もちろん、違う点も多数あるが基本的に、この作品のコンセプトは、現代版「めぞん一刻」だと、僕は思う。

 さて、冒頭のあらすじ…というか、設定を書くと、主人公の白鳥君は、予備校ならぬ「絵の専門学校」に通うために、親元を離れて街に出てくる。
 住むことになったのは、都会の真ん中に今時珍しい、風呂・トイレ共同、まかない兼管理人つき平屋建て下宿。管理人さん(大家さんでもあるようだが)は、女子高生の蒼葉梢ちゃん。幼い頃に両親を亡くした彼女は、なにやら幼少時代に白鳥君とは交流があるようで、白鳥君がやってくるのを楽しみにしていたらしい。
 同居人は、梢ちゃんLOVEの同級生珠美ちゃん、小説家修行中の謎の中年、灰原さん(withジョニー(?)←「極上生徒会」のぶっちゃんみたいなもの)、赤貧(実は…)母子の黒崎親子。酔っぱらいで色っぽいが、男気をなぜか感じる桃野さん。
 で、白鳥君は、こういう物語のお約束で、とりあえず梢ちゃんとの記憶はほとんどない。それから、梢ちゃんはある理由(これは白鳥君との思い出と関係がある)から、5つの人格を持つ多重人格性障害(と書くとヘビーだが、割とライトに描かれている、もっとも(ネタばれ→)最終話ではこれがえらくヘビーに物語のコアとなるのだが…)を、持っているから、そこから話がすごい展開に…ならないのが、この作品の特徴らしい。

 というように、できる限り特徴を出すように書いたのだが、それでも「めぞん一刻」のテイストは漂ってくるのが分かると思う。

 では、この作品が「ぱくりっぽくて」つまらないかというと、そうは思わない。いわゆるキャラ萌えでなければ、この作品は楽しめないと評価する方もおられるようだが、僕自身は、「めぞん一刻」とは違う楽しみ方ができたと思う。
 いや、実を言うと「めぞん一刻」は、あまり好きではなかったのだが、この作品は好きな部類に入る。
 というのも、この作品ラブコメではあるのだが、少なくともアニメ(原作は未見)では、ラブコメ色は極力抑えてある。白鳥くんは「めぞん一刻」の五代さんのように、頭の中が「管理人さん、管理人さん、管理人さん…」ではない。一方、梢ちゃんの方もなにかを引きずっているわけではなく、基本的には、白鳥さんのことを想っているのを(客観的には)隠そうとしていない。だから、恋愛を巡るどたばたはあまり正面には出てこない(もちろん、デートっぽいシチュエーションや、エピソードでクローズアップされることはある、ラブコメですもの)。むしろ、鳴滝荘を中心とした、住人相互の交流が、ほのぼのと描かれているから、そう、たとえば、日曜の夕方に「笑点」を見るような安心感で眺めていられる。
 五代ならぬ白鳥君に「何やってんだよ、へたれ~!」毒づくこともない。「あ~もう、梢ちゃんのにぶちん!」と、思うこともない。そういうストレスを感じないラブコメも、たまにはいいじゃないですか^^。

 この作品、日曜日の深夜に放映されていたが、個人的には日曜日の夕方、「あ~、あしたから、また、仕事(学校)~」と思えるタイミングで、ふと流れてきてほしい作品かな?と、思う。
 実は、僕自身録画したこの作品を、家事の忙しい合間に掛けておいて、手がちょっと空いたときに5分ほど画面に見入るという処方で使っていたりする。DVDのCMにもあったが、「サプリメントアニメ」というキャッチコピーは、ホントにぴったり。